うらにわのリター

もう少し上手に生きたい(˘ω˘)

ウォークマンの思い出

長年使っていたウォークマンがとうとう壊れてしまった。

 

どれくらい長く使っていたかというと、かれこれ10年ほどになるだろう。中学生の頃、両親が「クリスマスプレゼントにほしいものを考えておいて。何でも好きなのを買ってあげるから」と言うので、ウォークマンがほしいと言った。そうしたらなんと、「ほかのものにしてほしい」と言われてしまった。子どもながらに「言っていることとやっていることが違う」と違和感を覚えたが、口答えすると居場所がなくなる家庭(子ども部屋がなく、自分が作った気まずい空気の中で過ごすことになる)だったので、何も言えなかった。

代わりに、正月にお年玉をもらったあと、家電量販店に連れて行かれた。正月特価で安くなっているウォークマン。お年玉で買うならOK、ということである。それならクリスマスに買ってくれたってよかったじゃないかとやっぱり腑に落ちなかったが、ともあれウォークマンを手に入れた。色はセルリアンブルーにした。

それからというもの、勉強のお供に、外出時に車の中で流れる親好みの音楽が気にくわないときに、旅先でなかなか眠れない夜に……大活躍であった。音楽を楽しむほかにも、小さな音で音楽を流しながら寝たり、周囲の雑音をかき消してくれたり、退屈な時間をつぶしたりできた。

ウォークマンに関する思い出を探すと、必ず思い浮かぶ出来事がある。

中学時代、あまりにも数学の成績が悪いので、高校入試の模試の結果を親に見せると必ず、数学のことで怒られていた。模試の結果を受け取ったその日、偶然両親の帰りが遅く、居間には私一人しかいなかった。ふと「今日もまた数学の成績が悪くて怒られるんだろうなあ」と思うと涙が出てきた。数学の成績を悪くしたいわけではないし、それなりにがんばって勉強もしていたし、宿題もきちんとこなしていた。でも、父親は「お前だってやればできるはずだ」「自分も昔はできなかったけどがんばったらできるようになった」「お前の妹は数学できるんだからお前もできるはずだ」というようなことをものすごい剣幕でまくしたてる。あろうことか、かけ算の数字を書く順番が違っただけで激怒する、そのくせ、「親の顔色をうかがうんじゃない」と言う。もうどうしたらいいか分からなかった。

ウォークマンRADWIMPSのBY MY SIDE を聞いて、声を殺して泣いた。そのあとのことは覚えていない。たぶんまた怒られたんだと思う。でも、音楽を聞いている間は自分の泣いている声が聞こえなくて、いつもより情けない気持ちにはならなかったような気がした。

 

ウォークマンに関しては他にもたくさん思い出があって、一生懸命思い出そうとしなくても次々に思い浮かんでくる。また、使い込んだ電気製品に対する愛着に関して、他にも書いておきたいことがある。

時間がないので、今日はここまで。